妻が持っている。俺がなくしたりしないように。
主人公と同じように。
大事なものは妻が持っている。
ちょっとでも離れると、すぐにダメになる。
それはきっと妻が俺の大事なものを持っていてくれるからだ。
言い訳しながら酒に溺れ、久しぶりに小説に耽る。
好きな作家といっていいのかわからないぐらいにしか触れることがない小説だけど。
寝る間も惜しんで夢中になれる小説とその時間に喜びながらも、
これほど寂しい思いをするなんてと悲観に暮れる久しぶりの一人暮らし。
いつも通り、一人ではダラダラとした生活しか送れない自分をさらに怠惰にさせたこの物語。
やっぱり俺の妻はスーパーマンだった。いやスーパーウーマンだった。
元々確信していたことを再認識させられて早く会いたいなぁと思うんだ。
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